遊佐快慎信春と一貫堂
遊佐快愼信春が興した「遊佐一貫堂」は、塩釜さふらん湯のほかにも薬種、砂糖や酒など手広く商う傍ら、塩釜港の浚渫工事など公共事業にも尽力したと伝えられています。
一方、産科医としての遊佐快慎信春は多くの産婆を育成、この産婆達によってさふらん湯が広く宣伝され、産後肥立ちの快復に効果的に使われたものと思われます。
古より、女性が思春期・生理時・産褥時・更年期などに訴えるめまい、のぼせ、肩こり、頭痛、疲労感などの不快な諸症状は「血の道症」と称され、現在このような女性特有の症状は自律神経の失調が原因と解明されています。
産後の肥立ちが悪かったり、血の道症と称された更年期障害に悩む女性にとって「さふらん湯」はまさに妙薬として愛飲されたことでしょう。
H22/01月号