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2011年11月25日

和漢薬と漢方

「和漢薬」は、中国との交流によって中国大陸起原の伝統医学「漢方」の原型、医学書や薬草などが渡来したのが平安時代。中国起源の伝統医学は「くすし」と言われる医学の知識に長けた人々により我が国独自の薬草などが加味され日本化された方剤が国内各地に発祥、これが和漢薬のルーツといわれています。
現存する和漢薬は約200〜300種程一般用医薬品として販売されていますが、GMP基準適合や改正薬事法により淘汰されるものも多いのが現状です

「漢方薬」は、複数の生薬を組み合わせた方剤で、体質の診断を重んじます。
西洋医学が解剖学的見地に立って臓器や組織に病気の原因を求めるのとは対照的に、漢方は「証」に基づき患者の体質を見ながら調合することが特徴です。
承認されている一般漢方処方は葛根湯・八味丸・当帰芍薬散など一般用医薬品として210種、そのうち医療用医薬品(薬価収載)として146種(全てエキス細粒剤)が発売されています、和漢薬も漢方薬のカテゴリーに入ることは言うまでもありません。

「塩釜さふらん湯」は和漢薬、江戸幕末の頃「一貫堂流」と称された漢方流派の大家「遊佐快愼信春」によって処方が開発された血の道(更年期症)に効果的な振り出し薬(熱湯を注いで飲みます)です。DSC03006.JPG

お屠蘇

今年の干支は「卯」(うさぎ)、穏やかで飛躍の一年になるはず・・・、なのに東日本大震災で大荒れの一年になりました。
来年の干支は伝説の生き物「龍」、古来中国では権力者の象徴として使われたそうですが、「龍」が権力の象徴とされた古代中国(2〜3世紀頃)に「華陀」(かだ)という医者がいたそうです。

華陀は「麻沸散」(麻酔薬…?)を用いて関羽に外科手術を行ったと三国志に書かれているそうで、希代希な名医であったとか。
「屠蘇散」もこの華陀が処方したのが始まりと伝えられています、屠蘇が国に伝わったのは平安時代、平安貴族の儀式として始まり江戸時代には経済的なゆとりを持った庶民にも広く伝わったと言われています。
屠蘇散の処方は種々ありますが当社では陳皮、蒼述、桂皮、花椒、●に紅花を加えており山椒は花山椒を配合することで香り高い屠蘇散となっております。お酒または本みりんに屠蘇散を5〜6時間漬ければ「お屠蘇」のできあがり、一家そろった元旦の朝に年少者から年長者へと飲み継ぐのが「お屠蘇」の作法、若年者の精気を年長者に伝えとの意味が込められているようです。