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「さふらん湯」は一貫堂流処方

塩釜さふらん湯 は産科「遊佐一貫堂」を開業していた遊佐快愼信春によって処方されました。
快愼信春は「一貫堂流漢方」を修めたことから、「遊佐一貫堂」と名乗ったものと思われます。
平安時代に初めて中国大陸起源の漢方医学が我が国に伝来、江戸幕末の頃には「後世方」や「古方」、「一貫堂流」などの漢方の流派が生まれました。
遊佐快慎信春が修めた一貫堂流漢方では、慢性病の原因は体内に蓄積された毒素と考えられ、その体質を「お血症」「臓毒症」「解毒症」に三区分し、一貫堂流は特に「お血症」の治療に特徴があったと言われています。

「お血症」は生理的な活性を失った血液=「お血」を原因とする漢方独特の概念とされ、生理異常(生理不順・生理痛)や更年期症等が主な症状であることが知られています。

「臓毒症」は先天的に丈夫な体質にもかかわらず日常の生活習慣が主な原因とされ、肥満、高血圧、糖尿等が主な症状であり、「解毒症」体質は生まれつき肝臓の解毒機能が弱いことが原因とされ、臓毒症とは対照的に虚弱で、アレルギー疾患や炎症疾患を発症しやすい体質と言われます。

「お血症」は「血の道」といわれ、「生理、妊娠、出産、産後、更年期など女性ホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状及び身体症状のことである」(一般用漢方製剤承認基準 厚労省 薬食審査発)と定められています。

長時間冷気に晒されることによるクーラー病も自律神経失調症といわれ、漢方的には末梢血管の血液が滞る「お血」の症状であり、「お血」が原因で引き起こされる不快な症状には塩釜さふらん湯 が効果的です。

このブログについて

ごあいさつ
当ブログは、「冷え性」や「更年期症」、「生理痛」や「生理不順」でお悩みの方に…、和漢薬「塩釜さふらん湯」の穏やかで確かな効き目をお伝えする薬剤師・社長タムラのブログです。

プロフィール
池波正太郎やドラッカーを愛読、旅は寺社仏閣、東南アジア熱帯モンスーンの風土に良くなじみます、センス&テクニックともNo goodだけど写真も好きです。団塊の世代生まれ、短気、三日坊主ですが、簡単な手料理や酒の肴などは器用にこなします。