上手にセルフケアメディケーション

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第1回 食と薬の関係

2005年04月01日

むかし、「食」は薬だった・・・薬食同源(医食同源も同じ)という言葉を聞いたことがあるかと思います。

中国・唐の時代に楊上善という人がつくった書物「黄帝内経−太素(こうていだいけい−たいそ)」の中に「五穀、五果、五畜、五菜、これを用いて飢えを満たすときは食といい、これを用いて病を治療するときは薬という」と書いてあるそうです。薬も食も同じ源であるという意味です。現代風になおせば、健康の基本はしっかりした食事というところでしょうか。普段はバランスの取れた良い食事を心がけて病を予防し、病気になってしまったときは、その病に合った食材を組み合わせて生物としての自然治癒力を高めるという風に考えられ、この辺から「薬膳」というものが生まれたようです。

現代の薬食同源?・・・今も薬食同源の考え方は生きていると思いますが、社会の進歩や環境の変化で食事だけでは対応できない病気が増えました。現代の薬ももとは食材や天然の木根草皮から生まれたものが多いのですが、今ではコンピューターが設計して、ひとり一人の患者に合わせた薬を創るところまで進んでいます。高度な薬を使わなければならない時は、医療機関でしっかり治療を受けることになりますが、日常的には市販のかぜ薬や胃腸薬を利用して健康維持をはかっているのではないでしょうか。

いま国は、「セルフメディケーション」という考え方を提唱しています。難しそうに聞こえますが、セルフ=自己、メディケーション=治療という意味です。もちろん「自分流に勝手に治す」という意味ではなく、「バランスの取れた良い食事を基本として、軽い体の不調は、市販薬などを上手に使って、自らの健康管理に責任をもちましょう」ということです。ある意味では「薬食同源」に通ずる考え方といえるかも知れません。

セルフメディケーションと健康食品・・・食事と市販薬で健康管理と書きましたが、テレビや雑誌で紹介されている「効きそうな健康食品」はどう使えばいいのでしょう?

健康食品、サプリメント、栄養補助食品など様々な名称で売られていますが、これらは全て野菜や肉などと同じ一般食品に分類されています。「効きそうな食品」と「効く食品」は違います。そして、「効く食品」は特別なものを除いてはありません。あったら違反です。

でも・・・効くと勧められて飲んでいるクスリがあるんだけど・・・という方もいるかも知れませんね。それは本当に薬ですか?だんだん話しがややこしくなってきました。

からだに良さそうな食品を上手に用いて、これからのセルフメディケーション時代を、健康で心豊かに過ごすために、役立つ情報をお伝えしていきたいと思います。