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知って得する「食と薬の話」
ケンコージョイ情報管理室からお届けする連載エッセイです
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第5回「効きそうな食品」のかしこい利用(1)安全性と品質

2005年09月01日

前回、「いわゆる健康食品」の問題点として5つの点を挙げました。問題点を知ってかしこく選ぶ方法を見つけましょう。

(1)安全性と品質

食物をとる主な目的は、生命・健康の維持ですから、まず、安全でなければなりません。たとえ効きそうであっても、健康障害を起こす可能性のある食品は避けるべきでしょう。

製品化された食品が安全であるとは

 1.原料に有害性がない。
 2.食品に認められた添加物以外のものを含まない。
 3.カビや農薬等に汚染されていない。

1.に関しては、コンフリーやアマメシバを含む健康食品で、有害成分による健康被害が発生しました。素材の安全性が十分に調べられているとは言えないのです。2.については、中国製のダイエット食品で死亡者が出たという報道が記憶に新しいかと思います。食品には使用が禁じられている医薬品成分が含まれていました。3.については、輸入ピーナッツに付いていたカビから発ガン物質が検出されますし、世界的に農薬汚染が進んでいます。

品質の保証とはどんなことでしょうか?

たとえば、ビタミンCを取りたいと思ってドラッグストアに行ったとします。見て回った結果、次の3種類の商品を発見しました。これらの違いは何でしょうか。違いを知って自らの判断で利用しなければなりません。あなたはどれを選びますか?

区分1.医薬品2.保健機能食品
(栄養機能食品)
3.いわゆる健康食品
(栄養補助食品など)

成分

ビタミンCビタミンCビタミンC

可能な効能・
効果表示

しみ、そばかす、色素沈着、
出血などの予防。
皮膚や粘膜の健康維持を助け
る。抗酸化作用を持つ栄養素。
ナシ
(効能表示が出来ない)

一日摂取量

2000mg
薬用量としての基準
1000mg(めやす)
栄養機能食品の基準
1200mg(めやす)
メーカー任せ
保証定量試験、崩壊試験、重量偏
差などの試験済み。国が許可
している
国が規格基準として上限と下
限を決めているが、商品とし
て許可しているものではない
(届け出のみ)。
メーカーが○○mgなどと
表示していても、公的な
基準や保証はない。痕跡
程度から過剰量までさま
ざま。

*ビタミンCそのものは効果や安全性が確かめられているが、食品(2と3)においては、商品としての品質、安全性の保証があるものは少ない。正しい知識を得て、メーカーや販売店の質や姿勢を見抜くことが必要でしょう。(財)日本健康・栄養食品協会のように自主基準を設けて厳しく品質管理しているところもあります。