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第3回「効きそうな食品」の中身(1)特定保健用食品

2005年07月01日

前回は、医薬品と食品の大まかな分類について述べ、その中でより医薬品に近い食品があると書きました。食品に効果を表示することは禁じられていますが、唯一国が「保健の機能表示ができる食品」と認めている食品があります。

特定保健用食品=トクホです。ちょっと分かりにくいですが、「保健の機能」とは例えば、「血圧を良い状態に保つはたらき」などのことです。次のような表示が認められています。

認められている表示含まれる主な有効成分
◆おなかの調子を整える食品・オリゴ糖類 ・乳酸菌類 ・食物繊維類
◆コレステロールが高めの方の食品・キトサン ・植物ステロール類 ・大豆たんぱく質類
◆血圧が高めの方の食品・オリゴペプチド類 ・杜仲葉配糖体など
◆ミネラルの吸収を助ける食品・カルシウム ・乳たんぱく質 ・ヘム鉄 ・ビタミンK
◆虫歯の原因になりにくい食品・ポリフェノール ・虫歯の原因となりにくい糖類など
◆血糖値が気になり始めた方の食品・L-アラビノース ・グアバ葉ポリフェノールなど
◆食後の血中中性脂肪が上昇しにくい食品・ジアシルグリセロール ・グロンビンたんぱく分解物

icon_tokuho.gif右のようなマークが付いた食品を見たことがあるでしょうか?平成17年5月30日現在、右のマークが付いた「トクホ」は500種類以上許可されて、出回っています。ヨーグルトや飲料、などに多く、納豆にもありますが、これらの種類全てがトクホではなく、一品、一品ごとに許可を受けているので、右の目じるしで選ぶことになります。トクホは、食生活の中で、上表の様な保健の目的」で利用するものであり、一定の効果が確認されています。

この意味でより薬に近い食品といえますが、薬の代わりになるものではありませんし、使い方を間違えれば、逆効果になる場合もあります。「使用上の注意」が必ず書いてありますから、よく読んで使いましょう。例をひとつ。

あなたが検診で、「血圧が高いですね」といわれた場合は、病院に行って医師の診察を受けるでしょう。高血圧症と診断されれば血圧降下薬を処方されると思います(高血圧治療薬)。では、「血圧が高めですね」といわれたらどうしましょうか。慎重な方は、とりあえず医師の診察を受けるかも知れませんが、多くは自分で食事や生活習慣を見直して様子を見るのではないでしょうか。このようなときに、「血圧を良い状態に保つ」目的で用いるのが、トクホの「血圧が高めの方の食品」なのです(高血圧予防食)。ときどき、高血圧で治療薬を飲んでいるのに、トクホ食品を摂ったり、医者の薬はイヤだからトクホで治療したいという方がいます。これは正しい使い方ではありません。血圧が安定しなくなったり、悪化してしまうことがあります。トクホを利用したいと思ったとき、薬剤師や医師に相談してみるといいですね。