上手にセルフケアメディケーション

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第2回 効きそうな食品

2005年06月01日

前回「食」と「くすり」はもともと同じと書きましたが、現在日本では、食品は「食品衛生法」という法律によって次のように決められています。食品とは、医薬品(医薬部外品も含む)を除いたすべての飲食物をいう

こう言われたとき、どんなイメージが浮かぶでしょうか。医薬品とは、病院から処方せんを受け取り調剤薬局でもらう薬、あるいは薬屋さんで買うかぜ薬など、食品とは、スーパーの食品売り場に並んでいる食材などではないでしょうか。

では、薬局、ドラッグストア、コンビニなどで、「くすり」のようなパッケージ(多少派手め)に入ったカプセルや錠剤は何でしょう。箱には「糖尿病が治る」とか「がんに効く」とか「若返り、シワが取れる」などとは決して書いてないけれども、どこで知ったか、「たまねぎエキス錠」とか「アガリクス抽出エキス」とか「CoQ10カプセル」などを迷わず買っていきます。効果を信ずるあまり、それらを医薬品と勘違いしている人もいて、「医薬品は薬のレジでお願いします」というと、上記のような商品を持ってくる方が多いのです(ドラッグストアに勤める薬剤師のコメント)。

医薬品食 品
 医療用医薬品
 一般用医薬品
 医薬部外品
 保健機能食品
 特定保健用食品
 栄養機能食品
 いわゆる健康食品 通常の食品(食事)

実は、医薬品と通常の食品の間には、何らかの作用を持つ素材をさまざまに加工してつくられた「食品群」があります。より医薬品にちかい「保健機能食品」と「いわゆる健康食品」と呼ばれるものです。「保健機能食品」は国が機能の表示を認めた食品です。別の機会に詳しく書きます。

自然界にはさまざまな作用成分を含むものが沢山あります。前回書いた薬食同源のことを思い出してください。健康時は一般食材として食べているものを、病気になったときは、配合を変えたり、調理法を変えたりして効果を高めていたのです。また、病気のときにしか使わない素材もあったでしょう。この意味では現代の「いわゆる健康食品」にもある種の作用・効果が期待されます。

「効く食品」はありませんが(効くと表示できるのは医薬品だけ:薬事法)、 「効きそうな食品」はあります。本当に「ヒトが食べて効く」かどうかは、科学的に検証されなければならず、もし効果が証明されたら、もはや食品ではなく薬になります。ということは、「効きそうな食品」には「あまり役に立たないもの」と「強い作用(副作用も)があるもの」が含まれることになりますね。ともあれ、現在大ブームになっている「効きそうな食品」の問題点を知っておいた方が良さそうです。