13. OTC薬を上手に使おう�ァ,�屠蘇と薬用酒
2013年01月05日
お正月の祝い膳にはまずはお屠蘇・・・という風習も博物館入りなのでしょうか?最近では、OTC薬売り場にお屠蘇の素である屠蘇散を置いている店も少なくなり、屠蘇散って何ですか?と怪訝な顔をされることも多いので、それなりの蘊蓄を傾けるのですが、首をかしげて立ち去る人ばかりです。一方ではわざわざ遠くから探してこられる方もあり、聞けば関西以西の出身者が多く、地域性もあるようです。
お屠蘇(おとそ)とは、一年間の邪気を払い無病息災、長寿を願って正月に飲む薬酒のことです。「屠蘇散(とそさん)」という生薬をお酒に浸したもので、そもそもは、中国三国時代の「魏」の名医であった「華陀(かだ)」による処方といわれ、正式には『屠蘇延命散』または『延寿屠蘇散』とよばれ、正月に祝いの膳には欠かせないものでした。現在では色々な処方があるようで、山椒(さんしょう)・防風(ぼうふう)・白朮(びゃくじゅつ)・桔梗(ききょう)・肉桂(にっけい)などの生薬を配合したものが一般的なようです。
さて、日本では屠蘇散を日本酒(好みによって味醂を加える)に浸しますから、お屠蘇はお酒です(アルコール濃度は約10%〜20%)。とはいえ、一般的なお酒としてコップ酒のように飲むのではなく、三三九度のような朱塗りの調度品でおくゆかしく・・・と言うイメージで、つまりお猪口でゆっくり1〜3杯というところでしょうか。延命散といっても屠蘇散は医薬品ではありませんから、延命の効果があるかどうかは分かりませんが、配合されている生薬からは、「胃腸を健やかにして、身体を温め、風邪の予防になる」などの効果は推測されます。
一方、薬用酒というOTC医薬品があります。おなじみの薬用養命酒や黄帝酒などです。
滋養強壮薬として、何れも10種類以上の生薬をアルコールに浸して作られています。アルコール濃度は、強めの日本酒並みの14%程度です。もちろん薬ですから、用量用法は決められていて「成人、1回20mL、1日3回、食前または就寝前に服用する」です。効能・効果は「次の場合の滋養強壮:胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、肉体疲労、虚弱体質、病中病後」。ここでは薬草成分もさることながら、アルコールも「百薬の長」なのでしょうか。お酒に強い人が百薬の長を期待して、日本酒並みにコップ酒したら、具合が悪くなったと言ってきました。医薬品なので薬効成分の過剰摂取も考えられます。また、薬味酒として酒店で売られている養命酒もありますので注意が必要です。こちらは、お酒ですから用法用量の決まりはありませんが、同じようなことは起こりえます。
さらに、滋養強壮剤としてのドリンク剤にも問題があります。養命酒などと同様に多数の生薬成分からアルコール抽出して作られるドリンク剤には、1%以上のアルコールを含むものがあります。ユンケルファンティー、ユンケル黄帝ロイヤル、ゼナF−�供▲璽淵献鵐献磧次▲璽淵�ングなどの高額商品が該当します。
日本の酒税法では、アルコール分を1%以上含む飲料が「酒」と定義され、酒税の課税対象となっていますが、医薬品の場合は酒税法が適用されていません。つまり「ドリンク剤はお酒」と表示されませんので気づきませんが、アルコール検知器にひっかかるそうですし、かぜ薬などとの飲み合わせも問題になります。
「薬はお酒と一緒に飲まない」という常識は、「薬とドリンク剤」にも当てはまります。
風邪を引いて、一発で治したいから強力なかぜ薬とドリンク剤が欲しい・・という気持ちは分かりますが、アルコール分が少なくて、カフェインが含まれていない組み合わせにすべきでしょう。薬剤師等の専門家にぜひ聞いてください。



