32.上手にセルフメディケーション 「上手のヒント�─廖”堙�切な選択を避ける:水虫薬
2014年08月05日
夏は、さまざまな皮膚のトラブルが発生する季節です。
「虫さされ、あせも、日焼け、湿疹、かぶれ」・・そして「みずむし、とびひ」などなど。
内科的な不調と違って、これらの皮膚トラブルではよほどひどくない限り、すぐに病院へ
行く人は少ないでしょう。OTC薬を用いたセルフメディケーションが第一選択ということになります。
普通に起きる夏の皮膚トラブルの基本は「こじらせない」ことです。手当を間違えてこじらせると、
夏の場合は「とびひ」に発展しやすいからです。
皮膚症状に合うOTC薬の選び方はそれぞれに大事ですが、今回は間違った選択に
つながりやすい「水虫薬」について、実例を交えて書いてみます。
<例の1>
昨日、温泉に行ったら足の裏がかゆくて仕方がない。きっと温泉で水虫がうつったに違いない。
水虫の薬をつけたい。(翌日に水虫が発症することはあり得ません)
<例の2>
足の指の間が白く膨らんで皮がむける。かゆみはないが水虫と思うのでどの薬がよいか?
(水虫ではないケースが半分ぐらいあります)
<例の3> 足の裏に水疱が出来てかゆいので、いろいろな水虫薬を買ってみたが、あまり効かない。
効きのいい水虫薬はありませんか?(水虫ではない可能性があります)
さて、皆さんが求めている水虫薬とはどんなものでしょうか?その前に、「水虫とは何か」から
知らなければなりません。水虫といっても虫がいるわけではなく、皮膚糸状菌というカビ(白癬菌)が
皮膚の角層に発育している状態のことです。
つまり、水虫の薬というのは、カビの発育を止める薬ということになります。したがって、水虫薬が
効くためには、そこにカビが住みついていなければなりません。
カビがいるかどうかは目で見ても分かりませんので、皮膚科医師による診断が水虫薬使用の前提です。
例に示した3人の方々に共通していることは、どなたも医師の診断を受けていないことです。
自分の思い込みで水虫薬を使おうとしている(あるいは使っている)のです。
多くの場合、白癬菌がいないところに水虫薬を塗っても効かないで、お金の損になるだけですが、
時として大変なことになる場合があります。
水虫薬の最大の副作用は「カブレ(接触性皮膚炎)」で、数パーセントの人に起こるといわれて
います。水虫が悪化したと思い込み薬をせっせと塗り続けると、ますます腫れて汁が浸みだし、
化膿が始まります。歩行困難となり病院で治療を受けなければならなくなります。
薬で一度かぶれを起こすと、同種類の薬を使えばまた同じことが起こります。本当の水虫に
なったとき、使える薬がなくなることもあり得るのです。
「水虫」といって皮膚科を受診する人の40%ぐらいが水虫ではないと言われていますから、
薬剤師としても、医師から水虫と診断されたのかどうかの確認を怠ってはいけないのです。
何日か薬を塗って前より症状が強くなったら、中止して皮膚科受診をしてください。



