8.OTC薬の添付文書を読み解く�Α�
「読み解く」シリーズは、前号(2012/07/05)で終了する予定でしたが、7月17日の朝日新聞紙上に、タイミング良く「薬の副作用、命の危険も」という記事が掲載されました。
前号では、「OTC医薬品は、安全性は高いけれども100%安全とはいえないので、起こりうる副作用の初期症状や対処法を知って上手に使うことがポイント」と書きました。新聞記事を引用して、具体的にどのようにして副作用が始まり、どのようなことが起こりうるかを追ってみましょう。
<風邪の薬で体に斑点> 会社員のKさんは、ある朝、腕や胸などに紫色の斑点が現れているのに気づいた。数時間もしないうちに全身に広がり、救急外来に駆け込んだ。水ぼうそうを疑われた。治療をしても悪化する一方で、翌日、「他の感染症かもしれない」と即入院を告げられ、隔離された。その頃、目が刺すように痛み出し、ものがよく見えなくなった。水ぶくれのようになった顔や背中など全身の皮膚がめくれ、痛みで身動きもままならない。
入院2日目。ようやく医師の一人が、薬がきっかけの重い副作用症状「スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)」かもしれないと気がついた。斑点が出る3日前から発熱。近所の医院と総合病院で、抗生物質、解熱鎮痛剤、胃薬など複数の薬を処方されていた。風邪で処方されるよくある薬ばかりであった。1ヶ月後、皮膚の状態と視力が戻って退院したが、肺に後遺症が残っている。
<服用記録 手元に残す> 適正な薬を用法や用量を守って使っても,副作用は起こりうる。・・中略・・09年8月から12年1月の間に、製薬会社から厚生労働省にあった、重い皮膚障害の副作用報告は1505例。このうち131例は亡くなっている。・・中略・・どうしたら,重い副作用リスクを減らせるか。「症状を自覚したら、なるべく早く医師や薬剤師に相談し、早く治療をすること」「相談するときは、どんな薬を飲んだかを正確に伝えること」と専門の医師は言う。お薬手帳や、処方箋のコピー、薬局で出す薬の説明書,実物などが役に立つ。
(2012/07/17付朝日新聞記事より引用)
上記の新聞記事から読み取れることは、Kさんは比較的早期に症状に気づいて救急外来を受診したが、医師が原因に気づくのが遅れた。今回のような初期の症状を示す病気は種々あるので、もしKさんが処方医や薬剤師からSJSの情報を伝えられていたら、状況は少し違っていたかも知れません。
医師から処方される薬は、薬を飲むまでの間に、医師や薬剤師の説明、お薬手帳、薬の説明書などのいずれかによって薬の情報が伝えられる場合が多いですが、処方箋なしで自由に買って、自分の判断で使用するOTC薬の場合はどうでしょうか?
前号でも書いたように、SJSはごくありふれたかぜ薬、鎮痛薬、咳止めなどでも起きています。現在は、商品の外箱に副作用の情報が書かれているものは少ないので、購入前に薬剤師に説明をしてもらわなければSJSのことを知るチャンスもありません。購入時に薬剤師から情報提供があるかと思いますが、もしなければ「重篤な副作用」について聞いてみるようにしましょう。
最も大事なのは家に帰ってから必ず添付文書を見るとこです。そして薬が残っている間は捨てないようにしてください。帰宅の途中で捨ててしまうようなことは、くれぐれもしない様に。万が一の場合に身を守ることになるからです。



