上手にセルフケアメディケーション

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知って得する「食と薬の話」
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3.上手にセルフメディケーション「新しい食品制度と健康��」 

 事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示できることになった食品
(機能性表示食品)は、2月25日現在で231製品となりました。そのうち機能性の関与成分
として最も多いのが、「難消化性デキストリン(28件)」「ビフィズス菌(21件)」で、これらは
すでにトクホの成分として認められているものです。しかしトクホでは認められなかったものが
「機能性表示食品」としてお召し替えをして登録されているものもあります。トクホとして認め
られない理由を曖昧にしたまま『身体への効果』をうたっているものについては注意が必要です。
今回は「ヒアルロン酸」を関与成分とする商品を見ていきます。

届出番号:A4
<商品名> ヒアロモイスチャー240 
<事業者>キユーピー株式会社
<機能性関与成分> ヒアルロン酸Na
<届出表示>本品にはヒアルロン酸Naが含まれます。ヒアルロン酸Naは肌の水分
保持に役立ち、乾燥を緩和する機能があることが報告されています。

まず、届け出表示を見てみましょう。商品のパッケージに書かれているものです。
この表示を見て一般の人は「ヒトがヒアルロン酸Naを食べれば、胃腸で消化・吸収
されて肌に届き、乾燥は解消されてみずみずしい肌になるかもしれない」
と思うの
ではないでしょうか?
「ヒアルロン酸Naには肌の水分保持に役立ち、乾燥を緩和する機能があること」は
事実として知られていますが、口から摂取してそのような効果があるかどうかについては、
確かな報告はまだありません。報告はあっても信頼性は低いと考えられています。
なぜかといえば、食べたヒアルロン酸が体内(血液中)に取り込まれるというヒトでの
確かな証拠がない
からです。
この点に関してメーカーはホームページで次のような記載をしています。

■「食べるヒアルロン酸」の肌保湿メカニズムについての考察 
これまでの研究報告から、ヒアルロン酸は、摂取後、腸内細菌によって低分子化
されることが分かっています。ヒアルロン酸が低分子化されることで、腸管から吸
収され、血中に移行し、皮膚に届くことが報告されています。

この考察は一見ヒトが食べた結果についてなされていると思われますが、ここで
述べられている研究報告は、ヒトが食べた時の試験ではなく、ラットでの実験です。
つまりラットでの試験結果をヒトにすり替えています。

じつは、キユーピーの「ヒアロモイスチャーS」という商品が2008年に国が許可する
特定保健用食品を証拠不十分で却下されています。同じヒアルロン酸Naを関与成分と
する商品でした。厚労省がトクホとして認めなかった理由は以下の3点。

1)口から入ったヒアルロン酸が吸収されて皮膚に届くことの証明がされていない)
2)有効性が認められないこと(ヒアルロン酸を飲んだ結果、肌の保水力が上がるのかの
  証明が不十分)
3)健康の維持増進に寄与することが期待できそうにないこと(示されている肌の保水力の
  若干の上昇が、肌の健康維持に意味があるのか)
 

さて、皆さんはどうされますか? それでも信じて買いますか?
なお、他の事業者によって届け出がされているヒアルロン酸商品のほとんどが、
有効性の根拠として「ヒアロモイスチャー240」のデータを引用しているので、同じ問題があります。
科学的根拠の見直しが必要でしょう。