11.上手にセルフメディケーション「話題の食品を追って�サい砲覆訃霾鵤�
2016年11月05日
新聞やテレビなどの「公告の落とし穴」にはまらないためのポイントについてのシリーズ
4です。今月は「豊かな想像力が利用される」という話しで、グルコサミンを取り上げます。
<グルコサミンの基本の確認>
*グルコサミンはキチン質(エビ、カニの殻など)やムコ多糖類(オクラ、山芋、納豆など
のネバネバ)の構成成分として自然界に存在し、食物として摂取される
*摂取されたグルコサミンは、ヒトの消化管から速やかに吸収され、N−アセチルグルコサミン
となって ヒアルロン酸やコンドロイチンに取り込まれる
*ヒアルロン酸やコンドロイチンはコラーゲンとともに関節軟骨を作っている
*ヒトの体内ではグルコースからも合成されているが、加齢に伴い減少し、関節の動きや
皮膚の構造に変化をもたらす原因の一つとされている
*現在までの検証では、骨関節炎には経口摂取で効果が認められているが、ヒトでの
経口摂取による「変形性膝関節症」への効果はない
<グルコサミンの宣伝>
商品のパッケージにはどこを見ても、膝痛に効くとか治るとかの文言は書かれていない。
一方では、有名人による効果を強調したキャッチコピーがテレビで流され、「効いた、治った」の
お客様の声が並ぶ。
「グルグルグルグルグルコサミン〜♪」「スムーズで軽快な毎日を!」「歩くをトータルでサポート」
「走ることもできる!」などなど、グルコサミン商品の写真と共に発信される。
広告の文言や有名人の言動から、豊かな想像力を働かせて表現されていない効能効果を
感じてしまう。ここに落とし穴があります。
女優さんがにこやかに「階段の上がり下がりがスムーズ」と言えば、「グルコサミンは膝の痛みに効く」
→「グルコサミンは変形性膝関節症に効く」という情報が広まる。
このように直接効くといっていなくても、効果を連想させることも違反なのです。
<グルコサミンを食べるということ>
加齢による膝の痛みや関節痛に悩んでいる多くの人にとっては大いに関心があるところでしょう。
膝関節を正常に保つしくみはとても複雑で精巧です。単に軟骨がすり減って骨がぶつかって痛む
から足りない軟骨成分を食べれば良いなどという単純な話しではないようです。グルコサミンが
関節の機能に欠かせないことは事実ですが、それを食べることで解消しようと考えるのはどう
でしょうか。人の身体では食べた物質がそのまま望むところに行き渡るようなしくみにはなって
いません。グルコサミンを体内に取り入れたからといって、すぐにグルコサミンのままで身体の
各部位に配分されるわけではないのです。また、関節軟骨が年齢とともに減って来るということは
グルコサミンという材料が足りないからではなく、作る能力が落ちてくるからともいえます。
人間は一日に300〜400gのブドウ糖(グルコサミンはグルコース(ブドウ糖)からつくられる)を
摂取しています。必要ならグルコサミンは体内で作られるでしょう。サプリメントのグルコサミン
含有量は1〜2g程度に過ぎません。グルコサミンサプリメントでこの程度の量を摂取しても、
それが広く体内に輸送されたのち、膝まで十分な量のグルコサミンが届くとは考えにくいのです。
<N−アセチルグルコサミン>
ヒトの体内で役立つのはN−アセチルグルコサミンです。 経口摂取されたグルコサミンは体内で
N−アセチルグルコサミンに変化した後ヒアルロン酸などの構成成分となりますが、経口摂取した
場合のヒトにおける有効性については、十分な科学的検証はありません。



